神恋〜恋に落ちた神と巫女〜
第一幕 : 洞窟
「桔梗の祟り、か。幼い頃にお母さんが私にお話ししてくれた悲しい恋のお話。」
読み終わった本を棚に戻し、仏壇に私は手を合わせた。
私のお父さんは、私が生まれた頃に事故で亡くなった。
お母さんはもうずっと前に癌で亡くなってしまった。
悲しいし、寂しいし、会いたいと思う時もあるけど、
この水無月神社には、お婆ちゃんもお爺ちゃんも住んでるし、
それに、
水の神様が見守ってくれているはずだから大丈夫なの。