神恋〜恋に落ちた神と巫女〜
本殿へ戻るとナツ君は既に寝ていた。
私たちの分のスペースを空けてくれていて。
きっと私があの湖で見た男の子はナツ君ではない。
あの時は、追い付くので精一杯だったけど今思えば伝わってくる雰囲気が彼のものではなかった。
「そこに寝かせておけ。俺たちは和室の方で寝る」
奏は気を遣っていた。
ナツ君はまだ小さい。
私たちが寝ればナツ君のスペースは絶対に無くなってしまう。
珍しく冷え込む今日の夜は、ナツ君が布団から出てしまえば風邪を引く。
気持ちよさそうに寝るナツ君を布団の真ん中へ移動させ、掛け布団をかける。
起こさないようにゆっくりと和室へと歩いていった。