神恋〜恋に落ちた神と巫女〜
順番や作法なんて分からない。
なのになぜか身体が自然に動き、舞になって行く。
(どうか、奏を助けて)
そんな願いを込め私は一つ一つの動きに精神を込めながら舞った。
時に鈴を鳴らし、時に扇を勢いよく開く。
舞に音楽などは存在しない。
鈴を鳴らす音、扇を開いたり閉じたりする音、着物の裾を引きずる音、心臓の音が舞う時の音色になるんだと思い知らされた。
舞が終わり、奏に私は頭を下げた。
床に頭が付くほどに深々と頭を下げた。
「泣いてないよ、疲れただけだから。私の舞どうだった?綺麗だった?
私、ちゃんと姫巫女として上手く舞えたかな?」