密かに恋焦がれて
やったぁ!
意外と早くにチャンスがやって来た。
堂々とお兄ちゃんの部屋に押しかける理由を貰えた私はウキウキしながら階段を上り兄の部屋に行きドアを軽く叩いたけど。
「お兄ちゃん?」
ノックの音に気付かなかったのか兄とヒロの話し声は聞こえたけど返事はなかった。
ドアを開けかけたところで二人の会話が聞こえてしまいつい耳をすませる。
「お前さ相変わらずモテるよな。今日も……たしかA組の女来てたし。結構可愛かったなのになんで断った?」
「あいつじゃないから」
「は?一途だねぇ……」
「一途なのは家の家系だ」
「あっ、そう。でもやっぱりもったいねぇ~。オレなんて告られたことなんてねぇのに……」