密かに恋焦がれて

「信じられないって顔だな。どうしたら良い?」

「解らないよ」

「琴美」

気がつくとヒロは琴美の傍まで来ていた。


「ヒロ?……ん!ふぁ……んん」


キス……
突然の事で琴美はされるがままに。
驚いたけど軽く唇が触れるのはくすぐったいようなちょっと気持ち良いような。けして嫌なものではない。
でも次の瞬間何かが入ってきた。


やだー、何これ……


「んん!んー……」

塞がれてるため口がきけない琴美はヒロの胸の辺りをドンドンと叩くとやっとヒロが離れてた。

「へ、変態!いきなり何するのよ……」

「何ってキス」

「そんなの解ってるよっ、私が言いたいのはヒロの、ヒロの……」

「男っ気のなかった琴美にはお子様の方のが良かったらしいな」

「なっ……そっちだって女っ気なんてなかったくせに何で手慣れてるのよ」


ヒロしか見えてなかった。
学生のときも社会人になってからも付き合ってほしいと声をかけられてもいつも好きな人がいるからと断っていた。
だからいまだにキスさえ未経験。









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