密かに恋焦がれて
ヒロだって康成が知るかぎり彼女などいなかったと聞いていたけど怪しくなってきた。
康成と琴美が気づかなかっただけなのか。
疑いの目を向けてると
「何を疑ってるのか知らないけど変な事はしてないからな」
「ふう~ん」
「もういいだろう」
二度目のキスは……触れるだけのものだった。
「こんなんで顔赤くして……可愛いな」
こんなヒロは知らない。
アナタワダレデスカ?
唇は離れたのにお互いの距離が近くなった気がする
さっきからヒロは琴美の肩を抱いていて離れる気はなさそうだ。
こんな甘いシチュエーションなんて予想してなかった。
携帯が鳴っている。
ヒロは琴美から離れずに相手と話し始めた。
暫くして《ちょっと待ってくれ》と言い琴美に訊いてきた。
「康成からだった心配して掛けてきたらしい話しはついたって言っておいたけどどうする?」
「どうするって?」
「琴美が今夜ここへ泊まっても良いとOKは出てるってさ。あっ、俺がここにいることも承知してるらしい」
「ちょっと待って、OK出したって」
「おじさんとおばさんだ」
琴美は焦った。