密かに恋焦がれて
2人とも何を考えてるのかヒロと一緒にいるのにOKって……。
そこは普通ダメだって反対するところなのに。
「帰る、今すぐ帰る離して!」
ジタバタしながら抜け出そうとすると琴美の顔がヒロの胸に押し付けられた。
「嫌だね、帰さない。今夜はここにいろよ」
心臓がドキドキとうるさい。
琴美は豹変したヒロに戸惑う。
「なんてな、無理やりする気はない。帰るなら送るからちょっと待ってろ」
康成はこっちへ戻って来るという。
それから、また怪しい雰囲気になりかけたがもう琴美の心臓は持ちそうにない。
使った食器は片付けておきたいと言うとキッチンの方へと逃れた。
康成には片付け終わるまでに戻ってきてもらいたい。
洗い終わった頃ようやく康成が戻って来た所を捕まえ詰め寄る。
「おっ、なんだ……」
琴美の剣幕に康成は驚きの声をあげされるがままに自分の寝室に連れてかれた。
そうしてリビングに一人残された男が不満そうな目で寝室の方を見てる事には気づいてない。
「私とヒロの事をお母さんたちに話したの?ここへ泊まるのOKってどういうこと?」