密かに恋焦がれて
ヒロはわざと言って私の反応を試していた。
康成を解放し今度はヒロのいるリビングに行こうと寝室を勢いよく出る。
「わっ!」
なにか固いものにぶつかったと思ったらヒロが立っていた。
「ここで何してるの?」
「そっちこそ康成と2人でとじ込もってちっとも出てこない。何やってたんだ」
琴美は忘れかけていたことを思い出した。
「ヒロの嘘つき!
私達が一緒にいるなんてうちの両親は知らないのに泊まりにOK出したなんて言って反応を面白がってたのね」
「おい、琴美にそんなことをいったのか?」
康成も寝室から出てきたらしく驚いた声を出した。
「帰ってくるなり寝室に琴美を連れ込むなよ」
「連れ込まれたのはこっちだ。俺に嫉妬してどうする?」
「兄妹でもなんか嫌なんだ」
康成は呆れたのか黙ってしまった。
「じゃあ俺は琴美を送りがてら帰るから。ほら行くぞ」
琴美をリビングに連れて戻ると仕度しろとせかした。
「話しは終わってないでしょっ、どういうことか説明してよ」
「帰りながら説明してやる」
渋る琴美は玄関に追いたてられると仕方なく靴を履いた。