密かに恋焦がれて
そんな話しをして、暫く経つとおじさんは帰りぎわ
「琴美ちゃんはいつ弘高と結婚するんだい?」
「えっ!けっ……こん」
琴美はおじさんが結婚なんて言ってくるから動揺してしまった。
「ヒロのお嫁さんは琴美ちゃんが良いとずっと思っていたんだよ」
思ってもいなかった話しになってしまい返事に困ってしまう。
「親父、来てたんだな。忙しいから暫くは来れないって言ってたのは嘘か店ん中で話し込んでるなら暇なんだろう」
ヒロ!!
ヒロの声が聞こえてきて琴美は焦った。
2人の話しを聞いていたのかどうかは解らないけど動揺しまくりで変な冷や汗まで出て来てしまう。
「琴美ちゃんお邪魔したね。そろそろ行くよ」
この状況で帰らないでほしい。
胸の前で手を組みお願いの形でここにいてほしいと思う心の声は届かなかった。
出ていこうとするおじさんをヒロが追いかけ会話が少しだけ聞こえてきた。
やっぱり私とおじさんの話しは聞こえていたらしい。
戻って来たヒロを目で追う。
「なんだ?」
「……何でもない」