密かに恋焦がれて

閉店をし戸締りをしたあと送られながらの帰宅、家の少し手前で最近は慣れてきたさよなら代わりの軽いキスのあとヒロが見送っているのを承知で玄関まで来ると振り返る。

琴美が手を振ると片手をあげてから今度はヒロが帰るのを見送り姿が見えなくるといつも寂しく感じてしまう。


それにも増して今日はモヤモヤしていた。ヒロはおじさんと話していた事には一切触れてない。
自分だけが気にしているのかと思うとなんとも言えない気分になる。

夕ごはんのあと入浴を済ませると琴美も気持ちが落ち着きちゃんと考えることができた。
まだ付き合い始めてそんなに経ってないのに結婚の話しは早い。
おじさんに言われなければ意識はしなかっただろうしまだ先の事だと思ってたはず。

ヒロだってお店を任されて大変なときだし結婚など考えられないかもしれない。
お互いに休みが違うから合わせるのは大変だけど時間があれば逢うようにもしてる。


今度お店が定休日の時に琴美も有休を使って一日何処かに出掛けようかという話しもしてる。
恋人らしいイベント事とか今はヒロと過ごせる時間を楽しめたらそれでいい。



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