密かに恋焦がれて

帰り道、大通りを通りフラワーショップに着くとヒロの姿は見えない入り口の扉は開いてるから奥の方にいるのだろう。

ヒロは奥の方でパソコンを操作していた。最近インターネットでの注文も受けられるようにしたらしい。
配達もヒロ一人だといない間はお店を閉めないといけないし業者に頼む事にしたのだとか。

「ヒロ」
頃合いを見て声をかけると気付いたヒロは顔をあげた。

「来てたのか?」

「うん」

「ちょうど良かった今度の土曜日は店には来なくていい」

「どうして?もしかして働いてくれる人決まったの」

「そうじゃない、土曜日は……客だ」

男性の客が来た。

「あの、お祝い事で花束作ってほしいんですけど」

「はい、どんな感じにしますか?」

「今日は彼女の誕生日で……」

対応しようとしたヒロに自分がするからと言い琴美は男性にどんな花束にしたいか聞きながら花を手に取っていく。

ひまわりをメインに作った花束は夏らしく可愛いものになった。




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