密かに恋焦がれて

「なっ、なんだよ?」

ここにいるのはヒロ……だよね?
頭のてっぺんから爪先まで何度もヒロを見てしまった。

「おい、なんでそんなに見る」

いつもは着ないような服装をしていたからビックリした。
真奈美と初めて逢ったときでさえこんなにはキメてなかった。
居酒屋とドレスコードがあるレストランでは違って当たり前ではあるけど。
それにしても髪までセットしてくるとは……。


「やっぱり変か?俺には似合わないよな……」

「……いい……」

「えっ?」

「凄く似合ってる!ヒロ……かっこいいよ」

琴美が誉めると照れたのかヒロは頭をかいた顔も赤いような。

今、目の前のヒロは本当にいつもと雰囲気も違うし雑誌に出てくるようなモデルみたいでこれでもっと愛想よくできればモテるかもしれない……。
それに服装なのか髪型のせいなのかなんとも言えない色気まで出てる……。















< 120 / 143 >

この作品をシェア

pagetop