密かに恋焦がれて

お兄ちゃんは昔から女の子には優しくて細かい配慮もできていた。ヒロは逆でぶっきらぼう女の子に愛想よく接するタイプではなかった。
今まではそんな所がお兄ちゃんといて霞んで見えていたのかもしれない。

でも本当は優しくて頼りになることは知っているしそんなぶっきらぼうな所も含めてヒロのことが好き。


「その服、琴美も似合ってるよ」

「……ありがとう」

遠いからタクシーで行くと言われ乗り込むと見慣れた場所を通り暫くして信号待ちらしく停まった。
窓から見えた景色はいかにもブランドものの服やバッグ,時計やジュエリー等の高級な品物が売ってそうな店が立ち並んでいた。

ブランドに興味はあってもこういうお店に入るとなると気後れしてしまう。
最もそんな機会はなさそうだけど……
それから立派な建物の前でタクシーは停まった。

うわぁ~凄い……まるで西洋のお城みたい。
ドアマンが扉の近くに立っていた、ここはホテルのようだ。


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