密かに恋焦がれて

頭の中はパニックになりかけてる。
なにせ高級ホテルのレストランしかも個室だそれから値段の書いてないメニュー……恐ろしくなってきた。


「余計なことを気にせずメニューを決めろ」

ヒロは困ったような顔を見せず慌ててる様子もない。
大丈夫なのかと聞こうとしたけど。

「苦手なものはあるか?」

と聞かれてメニューを見ることに意識はもっていかれた。

「大丈夫」

「迷うなら決めて良いか?」

たしかにメニューが多すぎるし値段も解らないから迷ってしまう琴美が頷くとヒロはウェイターを呼んだ。

ウェイターが下がるとやっとヒロに大丈夫かと聞くことができた。

「それなりに持ってきてるから心配するな」

「でも値段がないとちょっと怖くない?」

「こっちには書いてあった」

「えっ、そうなの?」

男性側のメニューには書いてあったらしい。
だったら大丈夫な範囲でオーダーしたのだろうと安心できた。


















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