密かに恋焦がれて

運ばれてきたお料理はどれも盛りつけが綺麗で美味しかった。
ここに来たときにはまだ明るかった外の景色は食後のデザートと温かい飲み物が運ばれて来る頃には暗くなってきて。
灯りが灯る街並みの夜景はとてもきらびやかで綺麗。


「夜景、綺麗だよね」

「気に入ったか?」


こんな素敵な場所で食べるなんて初めてで夢見心地というか現実感がない。
体がふわふわしてるシャンパンが効いてるのかな……それとも雰囲気に酔ってるだけなのか。

「出てきたお料理はおいしかったし綺麗な夜景も見れて良かったし、でもお礼にしては豪華すぎるよ」

「これから本番なんだ」

「えっ」

「失礼します」

意味が解らず聞き返したとき最初にここへ案内してくれた人が入ってきた。ワゴンに乗せて持ってきたのは赤いバラの花束とプレゼントの包み。

「お預かりしていた物です」

ヒロに渡すと受付の人は行ってしまった。

なんだか解らないでいると。











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