密かに恋焦がれて

琴美は首元の鎖にそっと手を触れた。
ハート型に小さめな蒼い色の宝石が埋め込まれたネックレス、アクアマリンは琴美の誕生石だった。
プロポーズしてくれたあとヒロがくれたものだ。

「本当は指輪をと思ったけど用意できなかったから代わりに」

そう言って包みを開いてヒロが自ら琴美につけてくれた。

レストランに入ってから後の事を回想する。夢のような時間だったなぁ~
体がふわふわしてるような感じがまだ抜けない。
本当にヒロからプロポーズされたんだ……。


ホテルを出てタクシーに乗るとヒロは近い内に琴美の両親に挨拶しに行くからそのつもりでいるようにと言っていた。


あんな素敵なプロポーズをしてくれるなんて思わなくてヒロが結婚に向けてこんなに積極的に行動するなんて本当に驚いてる。








< 126 / 143 >

この作品をシェア

pagetop