密かに恋焦がれて
今日は残業もないしまたヒロに逢いに行こう。
「あれ……?」
お店に着き窓越しに外から中をのぞくとヒロしか見えなかった。
普段は態度もでかいし大雑把なくせにお花に触ってるときは違う。
表情も柔らかい。
手を止めたヒロは顔を上げた。
私に気付いたみたい。
手を振ると奥の方に行ってしまった。
今日はおじさんいないようだし中には入れてくれないつもりなんだ。
しょうがない帰ろ。
「中に入らねぇの?」
「ヒロ……入ってもいいの?」
ヒロが外に出てきて呼び止めてくれるなんて思わなかった……今日は無理かと諦めて帰ろうとしたのに……。
「何を今更……毎回図々しく入って来るくせに……」