密かに恋焦がれて


入浴してから自分の部屋に入ると隣にいる2人はまだ起きているらしく話し声が時々聞こえて来る。


内容までは解らないけど……ヒロの声が聞こえてつい耳を済ませてしまう。


本当に久しぶりだから話しも尽きないんだろうな。
でも、ヒロがここに来るのは今まで遠のいていたのに急にどうしたんだろう……。
明日は休みでもないのに泊まっていくなんて。


翌朝、目を覚ますと隣からは物音も話し声もしない。
時間を確認したら午前の七時を指していた。


まだ寝てる?
でも朝早いって言っていた。


もう帰っちゃったかな……。


着替えてキッチンまで降りていくと母と父がコーヒーを飲んでいた。


「ヒロはもう帰っちゃったかな?」


「ヒロくんならこれからお店に行くって言って少し前に帰ったわよ」


やっぱりヒロ帰っちゃったんだ。


< 22 / 143 >

この作品をシェア

pagetop