密かに恋焦がれて


お兄ちゃんは、きっとあの時の事を気にしているのかもしれない。
時々こうやってヒロとの接点を作ってくれる。


お兄ちゃんから届けるように頼まれたから今日は堂々とお店の中に入っ行ける。


「おはようございます」


「ああ琴美ちゃん、昨日は弘高がお世話になったね」

「久しぶりに家にヒロが来てくれたからお父さんもお母さんも喜んでました。あっ頼まれてこれを届けに来たんです。
家に忘れたみたいです」


「おーい弘高」

奥からヒロが出てきた。


「これお兄ちゃんから頼まれた」


「あぁ、わざわざ悪かったな」


「別に、いい散歩になったし」


「ちょうどいい。ちょっと待ってろ」


ヒロに言われてしばらく待っていると何種類か混じっている花束をもって戻って来た。

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