密かに恋焦がれて


「主任、これ橘さんがやったものです」

「いやぁ……あの子帰っちゃったし高橋に頼んだ方が確かだから」


朱里ちゃんはいつの間にやらいなくなっていた。

しょうがない。


「……解りました。残ります」


「残業してくれる?助かった」


2時間後。


「よし、これで今度こそ大丈夫」


「帰ってもいいですか?」

OKが出たことにホッとして訊くと。


「残業は終わりにしていいぞ」


やっと帰れる。
更衣室に行こうと立ち上がった。


「主任、お疲れさまでした」

「あっ、高橋」


「……はい?」


何?やっぱりまだやるとか言わないよね。

「どうだ?これから一緒に飲みに行くか?」


「行きません」


「即答か……相変わらず冷たいな」


会社を出てある場所へ向かった。

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