密かに恋焦がれて

今、総務課に残っているのは琴美だけ。

寿退職をする社員が残っている有給休暇で何日か前から休んでいて今日、会社に書類を持って来るのが予定の時間よりも遅くなってしまい手続きに時間がかかってしまった。
それがやっと終わりこれから帰る。


「思ったより時間かかりましたね」

琴美が総務課を出てエトランスまで来ると島崎がいた。


「まだいたの?総務を出たの一時間も前じゃない」

「個人的な話しがしたかったんで待ってました」

「話し?」

「総務じゃ人がいて話せない。お昼も帰りも白石さんがいてムリだし……今ならちょうど良いですから」


「真奈美がいて邪魔してるような言い方だけどお昼に邪魔してるのは島崎君の方」


「邪魔者扱いですか酷いなぁ……でも良く解ってます。とりあえず話しがしたいんで出ましょう」


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