密かに恋焦がれて
「デート?」
「はい、デートです」
「いや、無理だからて言うかなんでデート?」
「仕事の僕しか知らないですよね。だから会社以外の僕を知ってほしくて。
その上でもう一度返事がほしいんです」
「そんなことを言われても……」
「2人じゃなくても良いですよ。白石さんとその恋人とダブルデートなんてどうですか?」
今、真奈美は社長と別れてるしそんな気分にはなれないだろう。
それにやっぱり島崎とデートなんて無理……。
「それはできないよ。真奈美は」
「お願いです!チャンスを貰えませんか」
まるで別人、今での島崎じゃないみたい。
こんな必死な姿見せられたら……
むげにもできない。
「デートの事、直ぐじゃなくても良いなら考えさせてくれない?」
頭をあげた島崎は満面の笑みを浮かべた。
「あっ、ありがとうございます。そろそろ戻りますか?」
「そうだね」
2人は会社の近くまで戻ると分かれた。
琴美は複雑な気分だった。