密かに恋焦がれて
デートか。
島崎と2人で……いやいや無理。
でも真奈美には頼めないし……
「琴美デートするの?」
「うわぁっ!お兄ちゃんびっくりした。帰ってきたんだ」
「ああ、声はかけたけどな。反応なかったから」
帰り道、琴美は考え事に集中していて上の空だったらしく気付けば家の近くまで来ていた。
「デートって誰と?いつの間にそんなやつできたんだ?」
「で、出来てない!そんなんじゃないの」
「彼氏ができたなら俺としてはその方が安心なんだけどな」
「本当に違うの……」
「訳ありって事?困ってんなら相談にのる。夕飯後に部屋に来い話し聞いてやるから」
真奈美の事情も知ってるだけにこういう時は頼りになる。
素直に頷くと玄関のドアを開け琴美から先に入ると中にいるはずの両親に声をかけた。
「お兄ちゃん帰ってきたよ」
夕飯後にお兄ちゃんの部屋に行き今回のいきさつを話した。
「結局、お前はどうしたいんだ?」
「私は……」