密かに恋焦がれて

お店から離れた場所で待つと言うとお兄ちゃんはお店の中に一人で入っていった。

待っている間がとても長く感じる。
でもお兄ちゃんが出て来て時間を確かめると5分ほどしか経ってなかった。


「行くか」

「うん」

待ち合わせ場所に着くと真奈美と島崎はもう来ていた。

「ごめん。遅くなっちゃって」

「遅くはないですよ。まだ五分前ですから」

4人で駅に向かう。

「先輩お願いがあるんですけど」

「何?」

「手を繋いで貰えませんか?」

「嫌だ」

「即答ってちょっとは考慮してくれても……
白石さんは先輩のお兄さんと良い雰囲気ですね羨ましいです」

振り返ると真奈美と手を繋ぐお兄ちゃんは人波に当たらないようにさりげなく庇ってる。
さすがモテる男は違う。

「休みで人も多いしはぐれたら大変ですよ」


やめて、そんな期待するような目で見ないでよ。


「……これでいいでしょ?」

島崎君の服の裾を掴んだ。







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