密かに恋焦がれて

エンドロールが流れ見終わると外に出た。
お兄ちゃん達よりも先に出てきてしまったようだ。

「大丈夫ですか?」

「えっ?」

「泣いてたから」

「予想以上に話しに入り込んじゃって途中切なくなってついね涙出てきた」

「そうですか」

真奈美達が出てくると島崎は湖にいきたいと言い出した。
急きょ行くことになりバスに乗り込んだ。

湖に着くと島崎はボートに乗りたいと言い出す。

「先輩、あれに乗りませんか?」

あれに乗ったら2人きりになってしまう。

「え~、あれ足で漕ぐのじゃん。
面倒なんだけどあっちのにしない。遊覧船の方が座ってるだけだし楽で良いよ」

「自分で漕ぐから良いんですよ」

私は2人っきりにはなりたくないの。
私が困ってるってお兄ちゃんは絶対気づいてるはずなのに目を反らされた。
もし困ったら助けるって言ってたのに嘘つき。

「ほら行きましょう」

「ちょっ、危ない引っ張らないでよ」



< 82 / 143 >

この作品をシェア

pagetop