密かに恋焦がれて

「僕達も散歩行きます?」

「そうだね行こうか」

琴美達はさっき真奈美達が通った場所を歩き始めた。

隣を歩く島崎の顔をチラッと見るとその表情はこわばっている。
そんな顔をさせたまま今日のデート終わらせたら後悔すると思う。


「このあと、帰る予定だよね?」

「そうですね」

島崎は琴美に返事を返すと直ぐに目を反らしてしまった。

「カラオケ好き?」

「えっ?」

「ごめんね、せっかくのデートなのに島崎君が楽しめるような事全然できなかった。もしよかったらこのあと真奈美達とは別行動でカラオケ行かない?カラオケ苦手なら島崎君の行きたい所へ行っても良いしどうかな?」

「カラオケで良いです。先輩と一緒ならどこでも行きます」

やっと島崎に笑顔が戻った。

「じゃあ決まり」

琴美はもう少し島崎といるから真奈美を送ってほしいと康成に頼むと最初の待ち合わせた場所で2人とは分かれた。




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