密かに恋焦がれて

数時間後

「先輩、歌うまいんですね。聞き惚れました」

「良く言うよ。そっちは高得点ばかり出してたくせに……」

はっきりいって島崎は歌うのが上手ですっかり聞き入ってしまったのは琴美の方だった。
あの後、真奈美と時々行くカラオケ店に連れていき二時間しっかり歌って来た。

採点もつけた方が 盛り上がるだろうと紅白歌合戦なるものをする事に。

最近の曲を幾つも歌った島崎は全て高得点を取っていた。
琴美も得意な歌はいつも高得点いくから勝つ自信があった……島崎が歌い始めるまでは。

「拗ねてるんですか?」

「拗ねてない、負けたのは悔しいけど……」

「可愛いですね」

「なっ……」

かっ、可愛いって……何を言ってるんだか。

「先輩の歌声って聞いてて心地良いんですよね綺麗に響いてて。特に最後に歌ってた曲良かったです」

最後に歌ったのはカラオケに来ると良く歌う曲で自分が学生の時に好きで聴いてた曲だからかなり古い。
気を使っての言葉なのか本当にそう思ってるのか。
どっちにしても褒められたら嬉しいものだ。




< 86 / 143 >

この作品をシェア

pagetop