密かに恋焦がれて
「先輩、昨日は……」
「ちょっとこっちに来て」
琴美が出勤すると島崎が話しかけて来た。
すでに出勤してきた人達がいる中で昨日の話しはしたくない。
人気のない場所まで誘導すると島崎は深々と頭を下げた。
「本当にすみませんでした」
「本当に反省してるの?」
「もうしません。許し下さい」
よく見るといつもより元気がないし目が充血してる。
「もしかして寝てない?」
「何で解ったんですか」
「目が真っ赤」
「先輩を恐がらせてしまったし後悔しました。先輩の事を考えたら眠れなかった」
一晩中眠れないほどには反省したってことらしい。
「解ったもういいよ」
「許して貰えるんですか?」
「仕事に支障が出ても困るしね」
「ありがとうございます!」
さっきまでの沈んだ島崎はどこへやら急に元気になって戻って行った。