密かに恋焦がれて
琴美も昨晩はあまり寝れてない。
ヒロは迷惑って思ったかな……。
気になるけど逢うのも恐い。
それから相変わらず大通りを避けて通る毎日。
そんなある日、お兄ちゃんから連絡が来た。マンションの方に寄ってほしいと言われてどんな用事かと訊けば来たときに話すと曖昧に濁された。
直ぐに理由が言えないって何だろう
とりあえず行ってみることにした。
「用事ってなに?」
「後で話す」
康成の態度がどこか変だと感じた。
直ぐに言えない用事って何だろう……。
「今日はご飯食べてけよ。たまには良いだろう?」
料理上手な康成の手料理なら断る理由もない。
「お兄ちゃんの手料理久しぶりだね楽しみ」
「お母さんには連絡しとけ」
「これからする」
ただお料理ができるのを待ってるのもなんだから手伝うことにしたと言っても材料を切っただけだけど。
幾品かのおかずとご飯とお茶がテーブルに並べられた。
作っているときから美味しそうな匂いはしていて琴美のお腹は何度かなってしまったが康成には聞こえてなくて良かった。