痛快! 病ンデレラの逆襲
社長の胸を押し、必死に顔を背ける。
社長がニシャリと笑う。
「悪い、止められなかった」
「いきなり何をするんですか!」
「宣言したじゃないか。ズット我慢していたんだからこれぐらい許せ」
我慢していたって、どういう意味だろう?
「お前は本当に思っていることが顔に出るな」
そんなに? ペタペタと頬を触る。
「お前のことが好きだと言っているんだ」
「へっ?」
それは驚きだ、とビックリ眼で社長を見る。
「社長、ドッキリですか?」
ハーッと盛大に溜息を付き、社長は愁いに沈む。
「やっぱり全然伝わっていなかったみたいだな。全員気付いていたのに」
「全員って誰のことですか?」
「ケータリング部門の皆に決まっているじゃないか」
それも驚きだ、とアングリ口を開けたまま、また社長を見る。
「ズット好きだった。ズットこうしたかった」
切なげな声でギュッと抱き締めると、優しく髪にキスをする。
「お前はお子ちゃま過ぎるし病人だから、今日はキスだけにしといてやる」
何、その俺様発言。
「だから……」
熱っぽい瞳が私を見つめ、社長の顔がまた近付く。
唇が私のそれに落ちるとより深まった口づけに、私の意識も朦朧とする。
気付けば社長の背中に腕を回していた。