痛快! 病ンデレラの逆襲
ピロ~ンと音がしメールが届く。
『分かった。結婚しよう。今どこにいる?』
要子のスマホを全員で見つめ、キャーッ、ワーッと全員が歓声を上げる。
「社長、素敵な一日でしたね」
要子と冨波圭吾のラブシーンを見守り、少しして解散した。
「アイツ、ようやく見つけたんだな自分のミューズを」
かなり悪評ばかりの冨波圭吾のことを社長は知っていたらしい。
協賛者である要子を泣かすな、とキツク言い聞かせていた。
「皆、きっと幸せになれますね」
「中でも俺が一番幸せ者だ。お前と一緒になれたんだからな。姫乃、愛している」
お皿を洗う私の横で、それを拭く社長が口づけを落とす。
「ありふれた日常なのに、お前と一緒だからだな、本当に幸せだ」
水道から流れ出る水の音とキュッキュッと皿を拭く音。
「私も幸せです」
チュッと背伸びをして彼の頬にキスをする。
最後の食器を洗い終えると彼が言う。
「次回からは金模様の入った食器は使わず、食洗器の使える食器だけ使おう」
手を拭く私をいきなりお姫様抱っこすると社長がニヤリと笑う。
「お前との一分一秒が惜しいからな」
彼の首に両手を回し、彼の唇にキスをする。
「貴方を一生手放さないから、十分時間はあると思うけど」
「それでも足りないくらいだ。来世でも一緒だ」
ベッドルームに入るとバタンとドアが閉まるが、再びドアが開く。
「モグタンの縫いぐるみは部屋の外だ。お前にも俺たち二人の密な時間を邪魔して欲しくないからな」
本当に社長は! ベッドに横になりながらクスッと笑いその様子を見守る。
既に子供が一人いるようだ。
「何を笑っている。余裕だな。まっ、それもここまでだが」
社長がベッドに戻り私に迫ってくる。
では応戦するといたしますか。更なる幸せを求めるため。
【痛快! 病ンデレラの逆襲】
~The End~