痛快! 病ンデレラの逆襲

「失礼します」

障子の向こうから店員の声がする。
ちょっと、登場早過ぎ!

「オラオラ、どうする」

社長、貴方は『や』の付く危ない人ですか!
嗚呼、もう!

「わかりまひた、ひひます、ひひまふから」と言ったところで、社長が「はい、どうぞ」と手を離す。

キッと社長を睨み付け、両手で両頬をナデナデする。

店員は何となく険悪な雰囲気を悟ってはいるものの、社員教育の賜物だろう、淡々と自分の仕事を熟していく。

「本日のミニ懐石は、自家製豆腐と旬の野菜を中心に仕上げられたヘルシーな品となっております」

黒塗りの四角い大きな懐石盆に、所狭しと並べられた美しい料理たち。
料理はまず目から味わう、と言うが、本当にそうだ。
色とりどりの料理たちに、いきなりお腹がキューッと鳴る。

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