痛快! 病ンデレラの逆襲

私の話で……じゃないみたいだが、どうやら機嫌は直ったようだが……。

「社長、こういう場所で齧り付くのはマナーがなっていません」

知っているくせに!

「小皿に取って、串を外し、お箸で一口大に切り分けて食べるんですよ」
「煩い。お前と二人の時はいいんだ。それより、夜遊びもほどほどにしろ」

モグモグ口を動かしながら、ほらお前も食え、と串を差し出し唇に付ける。
仕方なく、パクリと齧り付く。あらっ、本当、美味しい!

「……夜遊びですか、あれが? どちらかと言えば、拉致され、強引に滞在させられた、が正しいかと思われますが……それに夜遊びってしたことないし」

私も柚子田楽を手に取る。
夜遊びってどんなだろう、社長の顔をマジッと見つめ、私はマナー通りに食べる。

「お前、大学時代何をしていたんだ」
「はぁ、バイトと勉強と……バイトと……」

あれっ? 何をしていただろう。
ボンヤリ霧がかかったように、当時のことが思い出せない。
やっぱり寝不足なのかな。今日は早めに寝よう。

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