痛快! 病ンデレラの逆襲
「十二月になったら、クリスマス&年末年始バージョンで、更に凄いイルミネーションになるらしいぞ。その時、また来よう。もう少し早い時間にな」
観覧車を降りると、人通りが少なくなったメイン通りを歩く。
営業時間は二十三時半。あと三十分ほどで閉園だ。
今以上の素晴らしいイルミネーション。想像もできない。
でも、それは凄い、と買ってもらったばかりのシナモン・チョロスにかぶり付く。
それより、また連れて来てくれるって言った?
それなら嬉しいな。また、モグタンに会えるし、またこれが食べられる。
パリッムギュッの食感が、ああ、もう、たまらない! 美味しい!
「それにしても、気分がよくなった途端、また、よく食べるな。夕飯、あれだけ食ったのに」
そうかなぁ、と思いながら、ここに着いてから食べたものを思い出す。
夕飯はスイーツランド名物、モグタンの型で抜かれたハンバーグ定食。
それから、ホットドッグとジェラートと骨付きソーセージとキャラメルポップコーンとこれだけだけど……とチョロスを見る。
「社長が小食過ぎるんじゃないですか?」
「お前が大食過ぎるんだ!」
ピシャリと言われ、「これ食べます?」とご機嫌を取るように、チョロスを社長の口元に持っていくと、まさかのパクリ。
あらっ、食べたわね! 私のなのに、とすぐに社長の口から引き抜く。
「駄目ですよ、これ以上はあげませんからね」
社長はモグモグ口を動かし、「甘い」と顔をしかめながらも「これは間接キスか」とニヤニヤ笑う。
だが、私は「社長、それは横取りでは」と全面否定する。