痛快! 病ンデレラの逆襲
07 隣人も病ンデレラⅢ
「それで」「それが」「その指輪?」
どこ経由なのかは知らないが、噂を聞き付けた要子に、またもや拉致られ夢子の部屋へ!
スピード社会というが、どれだけ情報伝達が早いのだ!
ネット社会、恐ろしや!
そして、すでにコタツでマッタリしていた梨子と夢子の間に座らされ、左手はコタツ中央へ!
三人の体がグッと前のめりになり、中央に三つの頭が寄り、六つの目が薬指に輝く指輪を見つめる。
「メチャクチャ綺麗ねぇ」
ウットリと夢子が呟く。
「えっと、確か奏カナっていう人のデザインって扇氏が言っていたような……」
「チョイとお待ち!」
要子が言葉を止める。
「確認したいことが二つ。一つ目、今、奏カナって言った? 二つ目、扇氏ってあの幻のセレブ商店街の?」
「はい、奏カナさんです。はい、セレブ商店街と云われるところの扇喜三郎氏のことです」
「嘘ぉぉぉ!」と要子よりも早く夢子が叫んだ。
「あの引退したっていう奏カナ! どうしてあのお方が貴女の指輪のデザインをするの!」
そんなこと言われても……何故でしょう?
「そう言えば、扇氏もそこのところは首を捻っていらっしゃいました」
「もしや姫、貴女、彼女の隠し子とか?」
梨子の言葉に、それは妄想過ぎるとフルフル首を振る。
「あのぉ、申し上げておきますが、指輪は社長の依頼で作られたものです」
「じゃあ、社長が隠し子?」
梨子はどうしても隠し子説を押したいようだ。