痛快! 病ンデレラの逆襲
真っ赤な手の痕を頬に付け、ミミはジッと夢子を見る。そして……。
「夢ちゃ~ん」と抱き付いた。
「M……かしら?」
要子が梨子に耳打ちするのが聞こえる。
「夢ちゃん、愛している。母にもちゃんと夢ちゃんとのこと話したから。これからズット一緒だよ」
ミミが夢子の頭をヨシヨシと撫でる。
涙でグショグショの顔で夢子がフンと鼻で笑う。
「今更どの面さげて言ってるんだか!」
夢子がミミの腕の中でもがくが、ミミは慣れているのかギュッと抱き締め掌で涙を拭う。
「本当、夢ちゃんは天邪鬼なんだから」
まっ、そこも可愛いんだけど、と夢子の背に回り、バックハグ状態でコタツに座ると彼女の身を拘束する。
美形二人のツーショット。
「写メしたい……」と梨子がハートの目で二人を見つめる。
「あらっ?」とその時、ミミの目が私の薬指に止まる。
「それ、もしかしたら殿宮さんの?」
エッ! と全員の目がミミに向く。