痛快! 病ンデレラの逆襲
「どうして、殿宮社長のことをご存じなのですか?」
「彼のことを知っているのは母」
私の問いにミミが首を振り言う。
「私はそのデザイン画を見ただけ」
ミミが私の手を取り、指輪を見つめる。
「貴女のイメージに合わせて作られたから、実際に嵌めると体の一部のようにピッタリね」
ミミが大きな溜息を付く。
「こういう作品を見せ付けられると、私なんてまだまだだと思ってしまうわ」
夢子が腰を捻り振り返る。
「何自信のないこと言ってるのよ!」
そして、肘鉄を食らわせる。ウッと唸りミミが夢子の肩に顔を埋める。
「私を放っておいて一生懸命修行したんでしょう。もっと自信を持って頂戴!」
「夢ちゃん」
ミミの両腕が肩越しにギュッと夢子を抱き締める。
「いつもありがとう。夢ちゃんの応援があるから、私、頑張れるのよ」
夢子の頬が真っ赤になる。
梨子と要子が顔を見合わせ、ニシャリと笑う。
「じゃあ、そろそろ私たちはお暇しましょうか」
「そうね、姫、帰るわよ」
「あっあの……」
帰る前に一つだけ聞いておきたいことがある。
「どうして、社長の依頼を奏カナさんは受けたのでしょうか?」