Disposable Destruction
現在は首都ヤンゴンで生活し、麻薬で得た資金を合法ビジネスに転用して、ミャンマー・タイに跨る財閥を作り上げたラン・サ。

表向きには実業家だが、誰もそれを信じる者はいない。

今も彼の一声で、ドラッグアーミーがラン・サの敵を無惨に殺すのだから。

ヒューはミャンマーに入国するにあたり、彼との話を取り付けておいた。

ミャンマー国境付近の裏社会は、このラン・サが実権を握っている。

彼に話を通さずして、このミャンマーで好き勝手は出来ない。

ラン・サもまた、元Disposableという触れ込みのヒューを歓迎し、すぐに同盟関係を結んだ。

業界で1、2を争う実力の傭兵部隊、Disposable。

そのメンバーだった男ならば、諸手を挙げて歓迎する。

「助かったぜ」

ヒューは言う。

「早速で悪いが、アンタのドラッグアーミーを貸してくれないか。俺の護衛がまだタスクフォースに追われている。早く助けに行かないと危ない」

そんなヒューの言葉に。

「断る」

ラン・サは無表情で言ってのけた。

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