Disposable Destruction
「契約がまだ満了していない」

アランは言った。

「金を貰い、依頼を果たす。傭兵とはそういうもんだろう。お前らだって傭兵ならわかるだろう」

アランの言葉は、何ら間違っていない。

Disposableの誰もが、その言葉に反論はしなかった。

金を積めば裏切り、敵方につく。

そういう傭兵もいない訳ではないし、この世界では時折聞く話だ。

だが、アランはそうはしないと言う。

そういう男に、バニングらは好感を持つし、それが正しいと思う。

綺麗事ばかりでは生きていけない傭兵の世界だが、アランの傭兵としての生き方は理想だった。

「しかし」

バニングが口を開く。

「ヒューはお前を置いて逃げた。今後の合流の手筈は分かっているのか?このまま合流できなかったらどうする?」

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