Disposable Destruction
当然、アランは言わない。

合流の手筈をバニング達に言えば、ヒュー…依頼人の身を危険に晒す事になる。

守秘義務という奴だ。

語る筈がない。

と。

「ラン・サ…ドラッグアーミーの所だろう」

呟いたのはニコライだった。

「この近辺で大勢力と言えば、正規軍とドラッグアーミーだ。ミャンマー最大の軍閥で、黄金の三角地帯(ゴールデントライアングル)を牛耳っている。ここらで商売をするなら、ラン・サに話を通しておかなければ生かしておいてはくれない」

何故一介の傭兵が、そんなミャンマーの事情に詳しいのか。

流石のアランも舌を巻く。

ニコライはロシアの現役大統領だ。

国を亡ぼすとさえ言われる麻薬の流通にも明るくて当然だろう。

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