Disposable Destruction
バニングがヒューに気を取られている間に、ラン・サはアランへと近付いて行っていた。

BA-63を構えたまま、慎重に歩み寄っていく。

姿を見せた瞬間に、眉間を撃ち抜いて1発で片付けてやる。

そう考えていたラン・サは。

「ぐお!」

突然物陰から放たれたアランの蹴りで、BA-63を弾き飛ばされてしまう。

銃を手放した事を確認し、攻勢に転じるアラン。

撃たれた左肩のせいで右腕しか使えないが、それでも圧倒的な力で、ラン・サを叩きのめしていく。

しかし。

「この!」

ラン・サが隙を突いて、アランの左肩の銃創を指で抉る!

「ぐぁあぁぁあぁぁぁ!」

如何に超人的な肉体を誇るアランとて、血の通った人間。

傷口を抉られるという非道な攻撃に、声を上げる。

「化け物でも痛みは感じるのか!ならこれならどうだ!」

近くに落ちていた瓦礫を拾い上げ、アランの頭部を殴りつけるラン・サ。

片膝をついた彼に対し、ラン・サは何度も背中に瓦礫を叩き付ける!

「気分がいいぞ!この私のドラッグアーミーを全滅寸前まで追い込みおって…このまま虫けらのように叩き潰してやる!」

執拗に、執拗に、何度も何度もアランを瓦礫で殴るラン・サに対し。

「ふざけ…やがって!」

アランの怒りに火が点いた。

立ち上がると同時に、ラン・サの顎にアッパーカット!

立て続けに右拳だけで、豪打を連発してラン・サを打ちのめす!

< 125 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop