Disposable Destruction
強烈な右フックを受け、地面に倒れるラン・サ。

一気に決めようと、ラン・サに圧し掛かろうとするアランの胸板を。

「!!」

ラン・サは、自らの部下の死体が腰のベルトに差していたナイフを抜き、斬りつけた!

アランの革ジャン、その下に着ていたシャツまで斬り裂かれ、その胸には赤い染みが出来る。

「殴り殺すだ射殺だと、楽な殺し方はしない…貴様はナイフでジワジワ切り刻んで、気が狂うほどの痛みの中で血の海に沈めてやる」

「麻薬王に似合いの殺し方だな」

裂けた革ジャンとシャツを千切って投げ捨てるアラン。

鋼のような上半身の肉体が露わになった。

弾丸すら寄せ付けないような大胸筋、丸太よりも太いのではないかと思わせる二の腕。

その威圧感が、ラン・サに息を飲ませる。

「来いよラン・サ。俺を殺したいんだろ?ナイフで切り刻んで、気が狂うほどの痛みの中で殺したいんだろ?…俺は丸腰だ。ここで怖気づいて、楽しみを不意にしたくないだろう」

「誰が怖気づくものか!」

ナイフで刺突を仕掛けたラン・サは。

「ぎゃっ!」

逆にそのナイフを持つ手をアランに摑まれ、瞬時にして捻り上げられて、へし折られた!

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