Disposable Destruction
素早く立ち上がったバニングは、デニムのベストを脱ぎ捨てる。

スローイングナイフはベストのポケットの中だ。

もう飛び道具はない。

拳のみの勝負だ。

全身に力を込めたせいで、髑髏のタトゥーの刻まれたバニングの背中の筋肉が隆起する。

「恨み骨髄に入る俺を、自身の拳で殴り殺したいってか?」

ヒューは挑発する。

「本当にそう思うか」

バニングは言う。

「Disposable最初期からのメンバーだったお前を、俺が本気で殺したいと思うか」

「……」

水滴を滴らせながら、僅かに俯くヒュー。

しかし。

「もう後戻りは出来ないんだよバニング…俺達に刻まれた溝は、もう埋まらない!」

ヒューの後ろ回し蹴り!

バニングは泥水の中にダウンした。

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