Disposable Destruction
電話を切り、スマホをデニムベストのポケットに入れるバニング。

「依頼?」

共にバーで飲んでいた、ハル・グランベリーが訊ねる。

「ああ。臓器ブローカーを消して欲しいそうだ」

「臓器ブローカー?確かにアメリカ国内で、人体闇市場の存在は問題になってるからな」

呟いたのはヒュー・バレンタイン。

取引されている死体は、業界用語で『Body Runs(走る死体)』という名称で呼ばれる。

1体あたり200ドルから300ドルで売買されているという。

健康な生きた人間ではないという事を差し引いても、正規ルートに比べて遥かな安価だ。

「詳しいな、ヒュー」

ビールを呷るジェイソン・マーティンに。

「勉強しろよ」

ヒューはからかうように言った。

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