Disposable Destruction
「ニコライはどうする?」

バニングの背中に、ハルが問い掛ける。

「…ニコライは何かと忙しいからな。一応連絡は俺からしておく。合流できるかどうかは分からんがな」

「…思うんだが」

バニングとハルのやり取りを聞きながら、ジェイソンが訝しげな顔をした。

「あのニコライって奴は何者だ?何でいつもバラクラバを被ってる?普段は何処にいるんだ?」

Disposableの新入りであるジェイソンは、実はメンバーの1人であるニコライの正体が、現職ロシア連邦大統領ニコライ・ウラジーミル・ウラジーミロヴィチである事を知らない。

周囲の仲間も、面白がって彼に正体を教えていない。

「大事なのは素性じゃないわ。腕を信頼できるかどうかでしょ?」

ハルが悪戯っぽく笑う。

「素性が知れないのも、なかなか信頼できないもんだがな」

教えてくれそうな雰囲気ではない。

ジェイソンは溜息をついた。

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