Disposable Destruction
鬱蒼としたジャングルでも、復帰したばかりの進藤の動きに迷いはない。

上官殺しという罪を犯しはしたが、第四次大戦を経て、進藤の戦術自衛隊員としての技量は大きく飛躍した。

世界各国の特殊部隊員と比較しても、引けを取らないほどの動きだ。

そんな彼が。

「!」

何かを察知して、動きを止める。

同時に気付いた分隊長の三浦も、各隊員達を制する。

各々手にした銃を、前方に向ける隊員達。

…濃いブッシュの中から、数名の男達が姿を現す。

「ネパールのホクシ村から逃亡ルートを辿るとすれば、インドからバングラディッシュ、そしてミャンマーだと思ったが…」

ノベスキーN4を構えた筋骨隆々のアメリカ人が、三浦分隊に向かって呟いた。

「タスクフォースの部隊と鉢合わせるって事は、読みは間違っていないらしい」

< 64 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop