Disposable Destruction
畦道にも似た荒れた道を走るジープ。

その目の前に。

「!」

突然、別のジープが飛び出してきて、ヒューは急ブレーキを踏む。

次々と車から降りてきてBA-63ライフルを構えるのは、ミャンマー陸軍の兵士。

第360軽歩兵大隊だ。

完全に包囲される前に、ヒュー達を庇うように身構える私兵部隊。

ヒューはそれを、片手を上げて制する。

「…何をしている、余所者が」

最後にジープから、ゆっくりと下りてくる男の姿があった。

ミャンマー陸軍大佐、ル・ディー・ディント。

この第360軽歩兵大隊の指揮官だ。

ディントはヒュー、そしてアランの顔をじっくりと見る。

「アメリカ人か?」

「……」

無言のまま睨み返すヒュー。

「アメリカ人がここで何をしている」

「……」

「答えろ!」

ヒューの頬を殴りつけるディント。

アランが反射的に懐のショットガンを抜こうとするが、ヒューはそれも制止した。

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