Disposable Destruction
「心配するな。ミャンマー軍と事を荒立てる気はない。この国に滞在するのだって、一時的な事だ」

憐れみさえ込めて、ディントを見るヒュー。

「命まで取らない代わりに、俺達がこの国に滞在している間、見て見ぬふりをしろ。それで助けてやる」

それだけ言い残し、ヒューはあっさりと背を向ける。

警戒さえしていない。

…最早眼中にないという事か。

部下を全滅に追いやられ、片腕を失ったディントになど、脅威はないという事か。

そう思うと、ふつふつと怒りがこみ上げてくる。

咄嗟に、手近にあった部下のBA-63ライフルを片手でしゃくり取った所で。

「ぎぎぎぎぎぎぎぎ!」

新たにベルト給弾したアランのM134によって蜂の巣にされた。

蜂の巣どころか、肉片レベルにまで撃ち尽くされて原型すら留めていない。

壮絶な死に様だった。

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