Disposable Destruction
死体の感じからして、戦闘はごく最近行われたもののようだ。

無数の蝿が集っているものの、死体の腐敗はまだ殆ど進行していない。

つまり、ヒュー達はまだそれほど遠くに行っていないという事が導き出される。

「追うんだろう、バニング。早い方がいい」

舗装されていない道路に残された足跡や車の轍を確認しながら、ニコライが言った。

「ああ」

手にしたノベスキーの残弾数を確認し、銃身を掲げる。

道路はジャングルに沿って、大きく迂回するように伸びている。

という事は、ジャングルを突っ切ればショートカット出来る筈だ。

「一気に追いつく。ついて来れない者は後から追いかけて来い。俺は先行する」

バニングは、迷わず鬱蒼としたジャングルに分け入って行った。

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