Disposable Destruction
「こんな無粋なもんで殺し合うのはつまらんって事だな」

弾の尽きたMP5A4を投げ捨てるヒュー。

ジェイソンもまた、ステアーを投げ捨ててダークの背広を脱ぐ。

同時に。

「くっ!」

両者の拳が交錯した!

クロスカウンター。

すかさずヒューがボディブローを放つ!

くの字に折れるジェイソンの体。

続けて追撃を仕掛けようとするヒューに対し、ジェイソンは身を沈めての水面蹴りで足を払い、ヒューを転倒させた!

後ろに転がって距離をとりつつ、立ち上がるヒュー。

ジェイソンは構えたまま、少しずつ距離を縮めていく。

ヒューが動いた。

鋭く速い回し蹴り!

それがヒットすると、追い打ちの後ろ回し蹴り、跳び回し蹴り!

3連続で食らって、ダウンするジェイソン。

彼を踏みつけようとするヒューの足を取り、ジェイソンは足首の関節を捻りながら逆に転倒させた。

その隙に立ち上がるジェイソン。

「野郎…」

ヒューもまた立ち上がる。

一進一退の攻防だ。

「それだけの実力があって、何でDisposableを裏切った。Disposableの報酬じゃ物足りなくて、臓器売買なんて汚い商売に手を出したか」

「お前ら新参者の使い捨て軍団の一員に、俺の理念は理解できないだろうよ」

「何が理念だ、やってる事は下衆の行いだろうが」

「話し合うつもりはない!」

ボディアッパーから左フックへと続くヒューの攻撃。

最後に後ろ回し蹴りを打ち込んでダウンを奪った所で。

「ちっ…」

ヒューはジェイソンを残し、迷わず逃走した。

無理に敵を殺さず、深追いしない。

場数を踏んだ傭兵の、臨機応変な判断だった。

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